多種多様な種類のコーヒーがあって、多種多様な風味があります。その多種多様な風味を説明する方法ですが、基本的には、説明する人の感覚的な(官能)測定に基づいて評価しています。
1杯のコーヒーを淹れるのに使う焙煎コーヒー豆の色や化学成分量などの物理量なら、機器を使って測定できるかもしれません。しかし、人の感性に属する部分、滑らかさ、喉越し、後味、飲んだあとの満足感などの複合的な特性は、単一の理化学的手法で表現するのは至難の技だと考えています。
コーヒーの美味しさや最終的なコーヒーの価値は、コーヒーを飲む人の主観的判断によって決まるわけですから、コーヒーの風味を客観的に説明するのは難しいわけです。
零細生業パパママ経営の小規模な店ですが、自家焙煎コーヒー豆小売専門店を営んでいるので、コーヒーの風味をできるだけ客観的に説明して消費者に納得してもらう必要性を感じています。
コーヒーの風味をできるだけ客観的に説明して納得してもらう方法について、あれこれと年老いた頭を悩ませているわけです。
もし、コーヒーの風味をできるだけ客観的に説明して納得してもらう方法を見つけることができたなら、お客さんのコーヒー消費欲望を刺激できるわけですから。
加えて、コーヒーの風味をできるだけ客観的に説明して正確なレビューを提供することで、お客さん好みの風味を持つコーヒーを淹れるお手伝いが出来るかもしれません。
ということで、とある地方都市で零細小規模な珈琲豆焙煎屋を営むロートルな店主が、年老いた頭を悩まして考えている「コーヒーの風味をできるだけ客観的に説明する方法」を簡単に紹介させて頂きます。
コーヒーの風味をできるだけ客観的に説明するには、最初に、マグカップ一杯のコーヒーと、そのコーヒーを啜る(ススル)時間が必要になりますが、その条件はクリアしているという前提になっています。
【目次】
まず、コーヒーの酸について説明します。
一般的な認識では、酸味は望ましく無い味です。しかし、コーヒ―の持つ味となると、そうとは言えません。
コーヒーの酸味は、コーヒーを飲み込んで「後味」として感じる酸味です。
コーヒーの酸度が高ければ、後味として感じる酸味は、シャープ(切れの良い)で心地良い酸味のはずです。一方、コーヒーの酸度が低ければ、後味として感じる酸味は、鈍くて切れの悪い酸味となります。
いつまでも口の中に残っていないシャープ(切れの良い)で明るい酸味を持つコーヒーの方が、いつまでも口の中に残る鈍くて切れの悪い鈍重な酸味を持つコーヒーよりも、より美味しく感じられるはずです。(人それぞれかもしれませんが・・・)
次に、コーヒーのアロマ(香り)について説明します。
コーヒーのアロマ(香り)は、舌に存在する味蕾で感知することはできません。味蕾で感知できるのは、味だけのはずです。
コーヒーの基調となる香りには、果物のような甘い香り、花のような香り、柑橘類のような香りなどが知られています。これらの香り(アロマ)は、臭覚(鼻)で感知されます。
コーヒーを飲んで、これらの香りを吸い込むことで、これらの香りのアクセント(強弱)をより一層感知できるようになるのだろうと考えています。
最後に、コーヒーの全体的な風味について説明します。
コーヒーの風味、イコール、コーヒーの味だと理解することにしています。コーヒーが口の中に存在している間に感じる味を、コーヒーの風味だと理解しているわけです。
コーヒーの風味は、コーヒーの香りとは別のもので、基本的に舌に存在する味蕾で感知できるものだと考えています。しかし、コーヒーオイルが口の中で分解して、口の中から鼻に抜けて行く香り(フレーバー)は、風味の説明の中に入れています。
おさらい
まず酸味の説明から始めて、続いて香りの説明をします。そして、最後に風味の説明で締めくくります。
例えば、柑橘系の微妙な酸味と心地良い香り、そして、チョコレートのように濃厚な風味が特徴、というように。
もう一言
1杯のコーヒーの風味を表現する方法は1つではありません。同じ醸造方法で淹れたコーヒーでも、それぞれの人がそれぞれに違った感覚評価を持つわけですから、コーヒーの風味に対する個人的な感覚について細心の注意を払う必要があると思います。