ロートルな昔ながらの珈琲豆焙煎屋の親父は、ブラックコーヒーが大好きです。
幼い頃(5歳の頃)から実家が喫茶店を営んでいて、40代を目前に脱サラして珈琲豆焙煎屋に衣替えしてからでも30年、沢山のコーヒー消費者が、コーヒーに砂糖やクリームを添加して飲んでいるのも知っています。
しかし、年齢が年齢(67歳)ですから、他のフレーバーを添加したり、他のドリンク類やお酒などと混ぜ合わせたりして、コーヒーに対する視野を広げようと考えたことはありません。
ブルータス「おいしいコーヒーの教科書2019」は、コーヒー文化をより自由に楽しもうということで、コーヒーに特別な何かを加える新しいコーヒー体験の存在を紹介しています。
ブルータス「おいしいコーヒーの教科書2019/進化するおいしいコーヒー」で紹介されているアレンジコーヒーメニューは、次の6メニューです。
全て、スターバックスコーヒー東京ミッドタウン日比谷店で小売しているアレンジコーヒーとのことです。
(1)ナイトロコールドブリューコーヒー
窒素ガスをコールドブリューコーヒー(浸漬式水出しコーヒー)に注入したコーヒー。クリーミーな味わいだと説明されています。
(2)ナイトロコールドブリューフロート
クーリミィーな味わいのナイトロコールドブリューコーヒーにバニラアイスクリームを浮かべたアイスクリームコーヒー。
(3)エスプレッソトニック
エスプレッソコーヒーとシトラス風味のトニックウォーターを混ぜ合わせたコーヒー。コーヒーとトニックウォーターの2層が分離していて、それが美しいとのことです。
(4)アイスフォームマキアート
下層にミルク、中段にエスプレッソ、上段にコールドフォームミルクを重ねた3層構造のマキアートだということです。
(5)コーヒースティーブビール
焙煎コーヒー豆の入ったタンクの中にビールを流し通過させて、コーヒーの香りをビールに取り込んだフレーバービール。
(6)シェケラート
エスプレッソと氷をシェイクしたイタリア式アイスコーヒー。
日本では、コーヒーをブラックコーヒーで味わう消費者も多いわけですが、グローバルの視点では、コーヒーをブラックコーヒーで味わう消費者は少数派なのかもしれません。
コーヒー文化を自由に楽しむということで、これからも様々な楽しみ方が登場して来ると予想しています。
そうなって来ると、コーヒー豆の焙煎も、コーヒーを自由に楽しむという文化に合わせて、多種多様な焙煎プロファイルを考える必要が出てます。
例えば餡(アン)は、それぞれの用途に応じて高度に調整された加工食品ですが、焙煎コーヒー豆も、それぞれの用途に応じて高度に調整されている加工食品の方向に進んで行くのだと考えています。
その結果として、小規模なコーヒー豆自家焙煎店にも、明るい未来が開けるはずだと楽観的に考えている今日この頃です。
ブラックコーヒー向けに焙煎で調整している焙煎コーヒー豆、ミルクや砂糖を添加して飲むコーヒーやアレンジコーヒー向けに焙煎で調整した焙煎コーヒー豆と、それぞれの目的に合わせて調整しながら焙煎加工するという作業は、小型生産用コーヒー豆焙煎機を駆使する小規模な珈琲豆焙煎屋の得意とするところですから。
ちなみに、ロートルな昔ながらの零細生業パパママ店規模の珈琲豆焙煎屋は、ブラックコーヒーが好きな消費者向けに限定した焙煎コーヒー豆の加工販売に特化した商売をしていますが、何とか食べて行けています。