年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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コンビニコーヒーのお客さんは、どこからやって来たのだろうか?

2000年代の中頃から2010年代の初め頃にかけて、アメリカ都市部で猛威を振るったサードウェーブコーヒー現象の影響が及んで来ているのかもしれませんが、2010年代に入ってから、日本でも、一種のコーヒーブームのような状況が発生していると考えています。

喫茶店チェーンやコンビニコーヒーが注目されて、街で飲むコーヒーに需要がシフトして行きました。特に、コンビニコーヒーの急成長には、目を見張るものがあります。

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マーケティングの現状と未来を語る/コンビニコーヒーの未来を占う”3つのキーワード”より引用】
 

このコンビニコーヒーの急成長を支えているお客さんですが、どこからやって来たのだろうか?という疑問が沸いてきます。

コーヒー豆自家焙煎歴30年、地方都市で細々と珈琲豆焙煎屋を営んでいるパパママ店の親父は知っています。この30年間、ボーっと珈琲豆焙煎屋を営んで来たわけではありませんから・・・。

 

缶コーヒー消費者だけが、コンビニコーヒーにシフトしたわけではありません。

街の喫茶店やファーストフードレストランからも、事業所のオフィスコーヒーサービスからも、家庭で飲むコーヒーからも、コンビニコーヒーにお客さんがシフトして行ったと考えています。だから、コンビニコーヒーが急成長出来たと考えているわけです。

コンビニエンスストアーで購入するセルフサービスの淹れたてコーヒーは、街で飲むコーヒーの売り方の革新(イノベーション)だと考えています。

 

缶コーヒーと淹れたてのコンビニコーヒーですが、どちらが美味しく感じるかというと、ほとんどの人がコンビニコーヒーに軍配を上げると思います。

ファーストフードレストランやオフィスコーヒーサービスの作り置きしたコーヒーと淹れたてのコンビニコーヒーですが、どちらが美味しく感じるかというと、こちらも、ほとんどの人がコンビニコーヒーに軍配を上げると思います。

大量生産・大量消費型の街で飲むコーヒーの中で、ダントツに美味しいのがコンビニコーヒーだと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

 

家庭で飲むコーヒーは、珈琲豆自家焙煎店で丁寧に焙煎加工したコーヒー豆を購入して、新鮮なうちに(焙煎日から大体1か月以内に)使って淹れたコーヒーなら、美味しさだけならコンビニコーヒーに負けないと思います。しかし、便利さでは、コンビニコーヒーに軍配が上がります。

街の喫茶店も、「街でコーヒーを飲む」という利用動機だけなら、コンビニコーヒーに太刀打ちできないだろうと考えています。

 

小生、パパママ経営の小規模な珈琲豆焙煎屋を営んでいます。

店舗の近くに、焙煎コーヒー豆を定期的に購入してくれているオフィスが幾つかあるのですが、最近、その購入サイクルが長くなっています。2週間に1度だったのが、1か月に1度くらいになっています。おそらく、コンビニコーヒーの影響だろうと考えています。

家庭でコーヒーを淹れるのに使う焙煎コーヒー豆についても、少しだけ同じような現象が発生しています。幸い小生夫婦の店の場合は、コーヒー大好きのお客さんが多いということもあって、それほど影響が出ていないと考えていますが・・・。

 

コンビニコーヒーはコーヒーの売り方のイノベーションで、コーヒー消費のこれまでの在り方を変えつつあるのだと思います。

珈琲商売に携わっているなら、コンビニコーヒーに対抗する方法を考える必要があると思いますが、これがなかなか難しいわけです。

対抗する方法を考えつかないなら、コンビニコーヒーに同化するという方法もあります。しかし、これもなかなか難しいだろうと考えています。

 

年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が営む自家焙煎コーヒー豆小売専門店は地方都市のビジネス街に立地しているので、コンビニコーヒーに同化してセルフサービスの淹れたてコーヒーを売る喫茶店を併設することもできます。しかし、年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦の店の場合、そこまでしなくても、今のままで十分にコンビニコーヒーに対抗できるだろうと考えている今日この頃です。

年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦はクラフトコーヒー(サードウェーブコーヒー、自家焙煎コーヒー)の領域で商売をしていて、コンビニコーヒーは、大量生産・大量消費のファーストウェーブコーヒーの領域で商売をしているわけですから。