年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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家庭向けコーヒーで始まるJABホールディングとネスレのせめぎあい

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今年(2018年)、夏真っ盛りの7月中頃、イタリアの超有名コーヒーブランド「イリーカフェ(Illycaffe)」がネスレやJABホールディングから買収を打診されたが、「イリーカフェ(Illycaffe)」のトップは買収打診を拒否しているというニュースが流れていました。

 

10月に入って、「イリー(Illy)」ブランドのコーヒーを手掛けるイタリアの巨大コーヒー企業イリーカフェ(Illycaffe)は、ドイツ資本のJABホールディングスグループのコーヒー企業で、オランダに本社を置くジェイコブズ・ダウエグバーツ(JDE)と、イリー(Illy)ブランドを冠したエスプレッソマシーン用コーヒーカプセルの製造販売ライセンス契約を締結したというニュースが伝わって来ています。

 

ドイツ資本のJABホールディングスは、キューリグ・グリーン・マウンテンやピーツコーヒー、スタンプタウンコーヒーやインテリジェンシアコーヒー、カリブーコーヒーなど多くのコーヒーブランドを支配下に置く世界第2位のコーヒー企業です。

イリーカフェ(Illycaffe)は、イタリアを代表する世界的に名前が知られているコーヒーブランド企業です。

 

JABホールディングスグループのジェイコブズ・ダウエグバーツ(JDE)は、ネスプレッソマシーンやデロンギ、ブレビロエスプレッソマシーンで使えるカプセルコーヒーの製造販売を2019年の前半に開始するようです。

世界最大のコーヒー企業ネスレは、スターバックスコーヒーブランドの商品をスターバックスコーヒーの店舗以外で売るライセンス契約に約8000億円を投入しています。

 

スターバックスコーヒーは、自分たちの製品を販売するライセンスを売って約8000億円を手に入れて、それにプラスして、世界最大規模を誇るコーヒー企業の強力な販売チャンネルを通じてスターバックスコーヒーブランドを冠した製品を売ってもらえるわけです。

ネスレは、自分たちが築いて来た家庭向けコーヒー販売チャンネルの商品群に、スターバックスコーヒーブランドを冠した製品が仲間入りすることで販売チャンネルのブランド影響力をアップできるわけです。

 

イリーカフェとJABホールディングスグループのライセンス契約は、ネスレとスターバックスのライセンス契約に対する細やかな対抗措置なのかもしれません。

細やかだと思いますが、ネスレとのライセンス契約によるスターバックスコーヒーのメリットと同じタイプのメリットをイリーカフェが享受出来て、ネスレの得るメリットと同じタイプのメリットをJABホールディングスグループも受け取れるわけですから。

 

何はともあれ、スターバックスコーヒーブランドの製品が流通小売店の店頭に並ぶのと時をほぼ同じくして、JABホールディングが製造販売するイリーカフェブランドのカプセルコーヒーが店頭に並ぶことになるかもしれません。

 

参考

 

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