北米大陸のコーヒー消費金額の約半分は、スペャルティーコーヒーで消費されていると考えられています。(グルメコーヒーも含んだ数字だと思うのですが?)
日本の場合、スペシャルティーコーヒーのコーヒー消費金額に占める割合は、それほど多く無いようです。しかし、これから増加して行くのは間違いないだろうと考えています。
アメリカスペシャルティーコーヒー協会は、コーヒー豆のカップ評価を100点満点で採点する評価基準を設定していて、そのカップ評価で80点以上の点数を獲得したコーヒー豆をスペシャルティーコーヒーと呼ぶと定義しているようです。
評価するのは、認定を受けているQグレーダーに限るそうですが・・・。
スペシャルティーコーヒーの持つ素晴らしい香味は、コーヒー豆の生産活動に従事する生産者の努力と、購入者の正当な評価という共同作業によって作り出されるとする考え方が、世界的主流となっていると言われています。
年老いた珈琲豆焙煎屋ですが、「スペシャルティーコーヒーて何ですか」と、お客さんから質問されれば・・・
田口護さんと旦部幸博さんの共著「コーヒーおいしさの方程式」 から引用させて頂いて、「素晴らしい風味特性を持った氏素性のはっきりとしたコーヒーのこと」と答えることにしています。
スペシャルティーコーヒーの定義は、SCA(スペシャリティーコーヒー協会)によって規定されているわけですが、スペシャリティーコーヒーの概念は、日々、変化していて、10年前のスペシャルティーコーヒーの概念と、現在(2021年)のスペシャルティーコーヒーの概念とでは、相当な違いがあるはずです。
また、大量生産・大量消費のマス市場でのスペシャルティーコーヒーの概念と、少量生産・少量消費の市場でのスペシャルティーコーヒーの概念の間にも、相当な違いがあるはずです。
後者の概念では、「コーヒー豆を焙煎してからそれほど時間(or日にち)の経過していない、煎りたて、新鮮、香りの良い自家焙煎コーヒー豆」という条件が、スペシャルティーコーヒー豆を原料として使っている焙煎コーヒー豆の絶対必要条件になっていると認識しています。
ちなみに、年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が営んでいるエカワ珈琲店ですが、2000年代の半ば頃からスペシャルティーコーヒーの自家焙煎コーヒー豆を取り扱っています。
それは何故かというと、当時、コーヒー生豆の仕入先(総合商社の兼松)が、スペシャルティーコーヒーに特化したビジネスを展開していて、一般的なコーヒー生豆の仕入れ価格よりも、スペシャルティーコーヒーの方が仕入れ価格が安かったからです。
そのような理由で、スペシャルティーコーヒーの自家焙煎コーヒー豆オンリーの商売をしています。
2010年代になって、スペシャルティーコーヒーの仕入れ価格が高騰したので、そして、仕入先(総合商社兼松)も、色々なレベルのスペシャルティーコーヒーや、スペシャルティーコーヒーとそれほど品質レベルが変わらないプレミアムコーヒーの取り扱いも開始したので、スペシャルティーコーヒーはスペシャルティーコーヒーでも、品質評価レベルのあまり高くないスペシャルティーコーヒーやプレミアムコーヒーを主に取り扱っています。
エカワ珈琲店の場合、あまりにも小売販売価格が高ければ、例えスペシャルティーコーヒーを使った自家焙煎コーヒー豆であっても、新鮮なうちに売り切るだけのブランド力を持っていません。
新鮮なうちに売り切れなければ、コーヒー豆自家焙煎店のスペシャルティーコーヒーとしての値打ちが無くなってしまいます。
それに、エカワ珈琲店の煎り具合の中心は『中深煎り』で、家庭向け自家焙煎コーヒー豆小売専門店ですから、トップレベルのスペシャルティーコーヒーを取り扱っても、その特徴を生かすことができません。
しかし、エカワ珈琲店のコーヒー豆自家焙煎店商売は、スペシャルティーコーヒーによって成り立っています。