その昔、アイスコーヒーは、夏だけ販売される飲み物で、ホットコーヒーの需要が減少する夏場の代替飲料でした。
現在のアイスコーヒー(冷たいコーヒー)は、ホットコーヒーとは別のカテゴリーの商品になっていて、夏・秋・冬・春と1年中飲まれています。
冷たいコーヒー(アイスコーヒー)の代表は、RTD(レディートゥドリンク/すぐ飲める)コーヒーです。
RTDコーヒーのトップランナー、サントリーのペットボトル入りコーヒー「クラフトボス」は季節に関係なく売れていると報じられています。
RTD(レディートゥドリンク/すぐ飲める飲料)の分野では、冷たいコーヒーが1つのカテゴリーを確立していると年老いた珈琲豆焙煎屋は思っています。
近年、色々なタイプの冷たいコーヒー(アイスコーヒー)が登場しています。冷水に焙煎コーヒー粉を浸漬させて作るコールドブリューコーヒーは、熱湯を使って淹れるイスコーヒーよりも保存性の良いと言われています。
そのコールドブリューコーヒーに窒素ガスを挿入してさらに保存性を良くしたドラフトコーヒー(ビールのように泡立つコーヒー)などが登場して世界的規模で人気を博しているようです。
缶入りドラフトコーヒーですが、現時点(2018年4月)では、まだ日本では登場していないようですが、ドラフトコーヒーの缶詰技術とドラフトビールの缶詰技術は基本的に同じ技術のはずですから、ビール会社なら簡単に缶入りドラフトコーヒーを製造販売できるだろうと推測しています。
基本的にRTD(すぐ飲める飲料)はブランドで選択購入される飲み物ですから、「冷たいコーヒー」というカテゴリーの登場は、日本の珈琲産業の有様を変えてしまう可能性があるのだと思います。
消費者がブランドでコーヒーを選択するようになると、コーヒーの売り方が根本的に変わってきます。ブランディングに依存する割合が高くなって行くのだと思います。