年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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消費者がコーヒーをブランドで選択する時代

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珈琲産業は、ブランドの時代に突入しているのだと思います。

その昔、大阪で万博が開催された頃、ある大手コーヒー企業が缶コーヒーの製造販売で先行していて、一時、飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが、現在(2018年3月)はというと、缶コーヒー市場は、珈琲業界の外側から参入して来た飲料企業ブランドが闊歩する市場となっています。消費者は、ブランドを基準に缶コーヒーを購入しているのだと思います。

 

ペットボトルや紙パックで売っているコーヒー飲料も、缶コーヒー同様に飲料企業ブランドが目立っていて、容器入りコーヒードリンク/RTD(レディ・トゥ・ドリンク)コーヒーについては、お茶や他の非アルコール飲料と一緒の商品棚で売られています。消費者はすぐに飲めるコーヒー飲料を求めていて、その需要をRTDコーヒーが満たしているようです。

 

巷では、コールドブリューコーヒー(浸漬式で淹れる水出しコーヒー)やビールのように泡立つドラフトコーヒーが流行の兆しを見せています。この新しいコーヒー飲料も、すぐ飲めるRTD(容器入り)コーヒーに向いているので、食品スーパーやコンビニエンスストアーで、他の非アルコール飲料と仲良く並んでいるのを見る日も近いかもしれません。

 

かつて(昭和の頃)、コーヒーは喫茶店で飲む飲み物でした。平成に入ってからは、家でコーヒーを淹れて飲むようになって、コーヒーの家庭需要が拡大して行きました。それが、再び、コーヒーを家の外で飲む人たちが増えつつあるようです。

コンビニコーヒーの隆盛や喫茶店チェーンの活況が、その傾向を物語っているのだと思います。手間暇をかけずに気に入ったコーヒーを楽しみたいと考える消費者が、増えて来ているのだと思います。

 
スターバックスコーヒーがオフィスコーヒーに参入するというニュースが流れていましたが、今後、益々、コーヒードリンクをブランドで選択する消費者が増えていくのだと思います。

例えば、レストランのドリンクメニューですが、コーヒー以外の飲み物類のほとんどがブランディングされています(特に、高級レストランでは)。今後、レストランのコーヒーメニューもブランドを重要視する方向に進んで行くのだと思います。

 

珈琲の世界ですが、消費者がブランドでコーヒーを選択する傾向が加速していて、ブランディング戦略がコーヒー企業の命運を左右する時代が、確かに到来しているのだと考えています。