アメリカのコーヒー豆焙煎業界は、19世紀の中頃から100年間に渡って成長を謳歌します。アメリカのコーヒー業界、第1の波です。
この時期に誕生・巨大化して行ったのが、現在、スーパーマーケットの商品棚を取り合っているアメリカの大手コーヒー製造企業、マックスウェルコーヒーハウス、フォルジャーズ、ヒルズブラザーズ、MJBの4ブランドです。
その後、大量生産・大量消費型のコーヒーに拒絶反応を示す人が多くなって、20世紀の中頃から、アメリカのコーヒー業界に停滞・衰退期が訪れます。
そのアメリカのコーヒー業界に、スターバックスコーヒーというシアトルの小さなコーヒー会社が異変を起こしました。
1971年、シアトルに1号店を開店したスターバックスコーヒーは、破竹の勢いで店舗数を増やして行きます。
その破竹の快進撃に刺激されて、スターバックスコーヒータイプのコーヒーチェーンが増えて行きます。これが、アメリカのコーヒー業界で発生した第2の波だと考えられます。
21世紀に入ってからは、地域に基礎を置く少量生産・少量消費型の比較的小規模なコーヒー会社の活躍が目立ち始めます。
少量生産ですから、工場の稼働率を気にする必要が無い比較的小規模なコーヒー豆焙煎屋さんの活躍が始まります。
アメリカコーヒー業界第3の波は、少量生産・少量消費型ビジネスを営む小規模なコーヒー豆焙煎屋さんが主役を演じています。
そこで、日本のコーヒー業界です。
日本のコーヒー業界も、第1の波、第2の波を経験していて、すでに第3の波も始まっているのだと思います。
昭和の時代、コーヒー焙煎会社は、喫茶店業界の成長と歩調を合わせて巨大化して行きました。これが日本コーヒー業界のコーヒー第1の波だと考えています。
日本のスーパーマーケットの商品棚にも、巨大化したコーヒー企業のブランドを冠したコーヒーが並んでいます。
1990年代、アメリカからスターバックスコーヒーが日本にやって来て、瞬く間に、日本の喫茶店市場を席巻してしまいます。
それ以前から喫茶店チェーンを運営していたドトールコーヒーやコメダ珈琲店も、一緒に事業規模を拡大して行きます。
日本コーヒー業界のコーヒー第2の波は、スターバックスコーヒーが日本に持って来たのだと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
2010年前後から、コーヒー豆自家焙煎店と呼ばれる日本の小規模なコーヒー豆焙煎屋さんの中から、アメリカでコーヒー第3の波を引き起こしている珈琲屋さんたちと同じような波風を立てようとしている珈琲屋さんが登場して来ています。
日本のコーヒー業界でも、コーヒー第3の波が始まっているのだと思います。
アメリカコーヒー業界コーヒー第1の波の主役である4ブランドですが、始まりは小さな自家焙煎コーヒー豆の製造小売店で、100年以上も前の昔には、自分たちで焙煎加工したコーヒー豆を馬車に積み込んで売り歩いていたわけです。
日本の大手コーヒー企業の始まりも、同じような感じだったと想像しています。
昭和20年代、戦争の傷跡から復興しようとしていた街中を、小さな焙煎機で焙煎加工したコーヒー豆を背中に背負って、あるいは自転車の荷台に積んで売り歩いていたわけですから。
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