世界最大の食品企業で、世界最大のコーヒー企業でもあるスイスに本拠を置く多国籍業ネスレが、アメリカ西海岸を本拠としていて、アメリカで20数店舗、日本で数店舗を展開するサードウェーブ系コーヒーチェーン「ブルーボトルコーヒー」の株式約68%を約500億円(推定)で購入したというニュースが話題になっています。
残りの約32%の株式は、創業者と経営幹部、それに従業員が所有していて、独立したコーヒー企業として現経営陣が経営を続けて行くと報道されています。
2002年創業のブルーボトルコーヒーの歴史は、アメリカ西海岸のオークランドのファーマーズマーケットでコーヒーを売ることから始まったと伝えられています。
アメリカのサードウェーブコーヒーブームの立役者と言えば、ブルーボトルコーヒー、スタンプタウンコーヒー、インテリジェンシアコーヒー、カウンターカルチャーコーヒーですが、カウンターカルチャーコーヒー以外は投資ファンドの資金を導入して、最終的に、ヨーロッパ系巨大コーヒー企業の傘下に入ったわけです。
アメリカの新興コーヒー会社は、「煎りたて、新鮮な焙煎コーヒー豆」、「グルメコーヒー」、「ローカルフード」をマーケティングの柱にしていると思うのですが、そのトップランナーともなると、それだけではビジネスが頭打ちになってしまうので、より多くの消費者に受け入れてもらう必要があるのだと思います。
そのためには、資金的な問題をクリアーする必要があるのだと思います。
喫茶店を1店舗オープンするのに約1億円必要だとしたら、100店舗展開するのに100億円必要になるわけですから。
ブルーボトルコーヒーが事業展開するスペシャリティーコーヒー(orグルメコーヒー)市場は、北米大陸のコーヒー市場で数パーセントを占めるニッチ市場だと思うのですが、今後、成長が見込める付加価値の高いコーヒー市場なのだと思います。
ドイツ系資本のJABやスイス資本のネスレなどのヨーロッパ系巨大コーヒー企業は、このコーヒーのニッチ市場の成長スピードに興味を持っているのだと推測しています。
おそらく、アメリカのコーヒー巨大企業「スターバックスコーヒー」も、今後、このコーヒーのニッチ市場に参入してくることは予想できます。
ブルーボトルコーヒーですが、アメリカ以外では日本でだけ店舗展開していて、ネスレの日本法人ネスレ日本は優良企業ですから、日本でのブルーボトルコーヒーとネスレの動きが面白くなって来るかもしれません。
エカワ珈琲店の店主は、ブルーボトルコーヒーのコーヒーを味わったことがありません。
ブルーボトルコーヒーは日本にでも数店舗の喫茶店を展開していますが、その店舗は東京に集中しているので、簡単にはブルーボトルコーヒーのコーヒーを味わうことができないわけです。
もしかしたら、今後、関西でも簡単にブルーボトルコーヒーのコーヒーを味わうことができるようになるかもしれません。