和歌山市のエカワ珈琲店は、今(2022年)も昔(1990年代後半)も、典型的なパパママ営業の小さなコーヒー豆自家焙煎店です。
今(2022年)は自家焙煎コーヒー豆の家庭需要に特化する商売をしていますが、昔(1990年代後半)はオフィスへの自家焙煎コーヒー豆配達販売が商売の中心でした。
それが2000年前後の2年~4年の間で、オフィスへの自家焙煎コーヒー豆配達販売(オフィスコーヒーサービス)の市場から追い出されてしまいました。
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何故、そのような
何故、大手のオフィスコーヒー専門会社の進出によって、年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が2人だけで営んでいる我がエカワ珈琲店が、事業所(オフィス)向け焙煎コーヒー豆配達商売(オフィスコーヒーサービス)から弾き飛ばされてしまったのか、整理整頓しておくことにします。(失敗の研究です)
エカワ珈琲店、自家焙煎コーヒー豆商売の始まりは
エカワ珈琲店の始まりは、事業所(オフィス)への焙煎コーヒー豆の配達からでした。
事業所(オフィス)への焙煎コーヒー豆配達で安定的な収益基盤が確保されていたので、店舗小売販売については、余裕を持って対応することができていました。
2000年を目前にして、大手のオフィスコーヒー専門会社が、エカワ珈琲店の地元、和歌山市に進出して来るまでは、業績は順風満帆で、昭和の頃の中央商店街の旦那さんの生活とは行きませんが、昭和の頃の個人商店(地域商店街)の「おやっさん」的な生活はできていました。
昭和の商店街の商店主たちは、今(2022年)と違って、中央商店街の旦那さんはある程度豊で、地域商店街の個人商店の「おやっさん」もまあまあ豊でした。
ある日突然、大手オフィスコーヒー会社がやって来て
ある日突然、都会から、大手のオフィスコーヒー専門会社が進出して来て、瞬く間に、我がエカワ珈琲店から、次々とお客さんを奪って行きました。
エカワ珈琲店の安定した収益基盤が、ある日突然、崩壊してしまったわけです。
そして、壊滅的な打撃を受けたエカワ珈琲店は、貧乏な生活へと坂道を一直線に転がり落ちて行くことになります。
オフィスコーヒーサービスから弾き飛ばされた理由
で、何故、事業所(オフィス)への焙煎コーヒー豆配達商売から弾き飛ばされてしまったかという事です。
理由は簡単で、我がエカワ珈琲店ですが、『自家焙煎コーヒー豆』という商品に対する考え方が「あやふや」だったからです。
小型生産用ドラム式コーヒー豆焙煎機を使って少量(大体4kg)のコーヒー豆を丁寧に時間を費やして焙煎した自家焙煎コーヒー豆を、オートメーション化されたコーヒー豆焙煎工場で計画的に大量生産している大量消費向け焙煎コーヒー豆(レギュラーコーヒー)と同じ土俵(同じコーヒー消費市場)で売り捌いていたから、いとも簡単にそのコーヒー消費市場から弾き飛ばされてしまったと考えています。
あるコーヒー豆自家焙煎店の敗北感
零細生業パパママ経営のコーヒー豆自家焙煎店が、資本力・営業力・宣伝力・生産力・知名度が自分よりもはるかに勝っているオフィスコーヒーサービス専門の会社やロースターと呼ばれているレギュラーコーヒー豆焙煎会社と同じ土俵(同じコーヒー消費市場)で競い合って勝てるはずがありません。
ですから、商売の仕方を変えるべきだったのですが、当時(2000年前後の頃)は、ただ我武者羅に無謀な勝負を挑んで、惨めな敗北感を味わっていました。
オフィスコーヒーサービスからの撤退
地方の町の小さなコーヒー豆自家焙煎店が、無料でコーヒーメーカーを貸し出して、見返りに自家焙煎コーヒー豆を購入してもらうというオフィスコーヒーサービスで売上・利益を確保できたのは、競争が少なかった1990年代の後半頃までで、2000年前後からは、その手の商売が通用しなくなっていました。
ということで、最近は、焙煎コーヒー豆を「実体のあるモノ」として購入してもらうのではなくて、「雰囲気的なモノ、何かを感じてもらえるモノ」として購入してもらう方法を模索しています。
旧態依然たる商売の手法では、零細な個人商店が大手・中堅の事業者に太刀打ち出来ないわけですから、少し趣向を変えた商売の手法を採用する必要があるわけです。
零細生業パパママ経営のコーヒー豆自家焙煎店の特権
何んといっても、時代の動くスピードが速くて、市場が突然変異的に変化し続けているのが現在ですから、ちょっと趣向を変えるだけで面白いことが起こるかもしれません。
現在は、「失敗するのは当たり前の時代」ということですから、小さな失敗は怖く無いということで、ちょっと趣向を変えた商売の手法を、いろいろと試してみようかと考えています。
そのようにして、臨機応変に商売を楽しむことができるのも、零細な個人商店の特権なのだと思います。