年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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コーヒー豆焙煎の歴史を簡単に振り返ってみれば

焙煎したコーヒー豆を使ってコーヒーを淹れるようになったのは、14世紀に入ってからだと考えられています。

ある僧院で、焚火の中にコーヒー豆を落とすと、しばらくして心地よい香りが漂って来たので、焚火の中から焼けたコーヒー豆を取り出して、砕いて煮出して、それを飲むと眠気が無くなったのが切っ掛けだとする伝説があります。

 

何世紀も前にコーヒーの焙煎が始まって、その後、焙煎する器具も技術も進歩していますが、コーヒー豆を焙煎して、その焙煎したコーヒー豆を粉砕して、1杯のコーヒーを淹れる一連の流れは、コーヒーの焙煎が始まった頃とそれほど変化していません。

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15世紀の後半、焙煎したコーヒー豆を使って淹れるコーヒーがオスマントルコ全体に広がったと考えられています。

最初は、素焼きの土器や石の容器を焚き火にかざして煎ったようです。

その後、1500年前後に、金属製の煎り器や、金属製のミルが登場して、17世紀の中頃、回転軸でシリンダーを火にかざしてコーヒー豆を焙煎する器具がオランダ人の発明家によって考案されました。

 

1860年頃から、アメリカのバーンズ焙煎機や、ドイツ・エメリッヒ機械製造の改良焙煎機など本格的な焙煎機が登場して来ます。

焙煎機の性能が向上して、コーヒー豆大量焙煎が可能になって、コーヒー豆焙煎産業の基礎が出来上がって行ったと考えられます。

 

先頭を走っていたのが、アメリカ合衆国のコーヒー豆焙煎産業です。

アメリカでは、20世紀の初め頃まで、コーヒー豆は家庭で焙煎するのが一般的でした。ですから、アメリカのコーヒー豆焙煎産業の先駆者たちは、 焙煎コーヒー豆を売るのに大変な苦労をしたと伝えられています。

しかし、苦労の甲斐あって、家庭で使う焙煎コーヒー豆の供給元は、家庭焙煎からコーヒー産業の焙煎コーヒー豆へと移行して行きました。

 

1950年代になると、焙煎コーヒー豆の大量生産・大量販売に対する拒絶反応が拡がって、毎年のように、焙煎コーヒー豆消費量が減少して行きます。

コーヒー豆を自宅焙煎する家庭が増えていったのが、原因だと言われています。

1970年代、スターバックスコーヒーに代表されるシアトル系喫茶店が急成長を開始します。それに比例して、コーヒー豆の家庭焙煎量は減少して行きました。

 

21世紀に入って、チェーン店に対抗する独立系の喫茶店やレストランが、地元の先進的なロースターから、煎りたての焙煎コーヒー豆を仕入れるようになって、地域を拠点とするロースターの成長が始まります。

2010年代後半頃から、再び、自宅でコーヒー豆を焙煎する家庭が増え始めているという話が聞こえて来ています。

 

この記事は、note にエントリーしている記事『コーヒー豆焙煎の簡単な歴史、コーヒー抽出の簡単な歴史』に収録している「コーヒー豆焙煎の簡単な歴史」をネタ元にして書いています。

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