政策投資銀行の経済研究所が作成した資料によると、立地条件の良いある程度の規模と設備を持つ喫茶店の従業員1人当たりの年間売上高は約1300万円、1人当たりの年間粗付加価値額は約500万円で、店舗面積1坪あたりの月商は約12万円となっています。
上記の数字は、従業員=正社員で、アルバイトやパートは従業員に含めていないとのことです。
クイックナビゲーション
喫茶店の場合は
従業員1人当たりの人件費は約480万円となっていて、年間粗付加価値額のほとんどは、人件費に使われているようです。
月商100万円以上売っているパパママ店規模の喫茶店・カフェはそれほど多くないわけですから、喫茶店・カフェ業界は、売上的には規模や設備や立地が重要な要件となっている産業のようです。
立地条件の良いある程度の規模と設備を持つ喫茶店(チェーン系の喫茶店)は、マスマーケットの消費者相手に商売をしていて、パパママ店規模の喫茶店・カフェは、マスマーケットに満足できない消費者相手の商売をしていると考えられます。
焙煎コーヒー豆卸売業の場合は
焙煎コーヒー豆卸売業の従業員1人当たりの売上高は約1800万円、従業員1人当たりの年間粗付加価値額は約500万円、従業員1人当たりの人件費は約430万円となっています。
上記の数字を基にして考えると、焙煎コーヒー豆卸売業とコーヒー豆自家焙煎店とは、同じ焙煎コーヒー豆製造加工業者ですが、おそらく別の業態だと思われます。
焙煎コーヒー豆卸売会社は、コーヒー豆の焙煎加工容量が大きい中型生産用焙煎機を使っていて、コーヒー豆自家焙煎店は、焙煎加工容量の小さい小型生産用焙煎機を使ってコーヒー豆を焙煎しているわけですから・・・。
田舎のコーヒー豆自家焙煎店の場合は
恥ずかしい話なのですが、2018年のエカワ珈琲店の売上は、焙煎コーヒー豆卸売業者従業員1人当たりの5分の1くらいでした。(開店休業状態だったので)
2020年は、パパとママの2人で働いて、2018年の2倍ちょっと(約400万円)くらいになると思っています。
おそらく、焙煎コーヒー豆を月商150万円(年商1800万円)以上売っているコーヒー豆自家焙煎店は、それほど多数は存在していないだろうと推測しています。
アメリカのサードウェーブコーヒーは
アメリカのサードウェーブコーヒー業界は、ラージロースターとマイクロロースター、それにナノロースターと、3種類のコーヒー豆焙煎事業者に分かれています。
それは、日本の焙煎コーヒー豆卸業界でも同じなのだと思います。そして、アメリカのナノロースター=日本のパパママ経営のコーヒー豆自家焙煎店という等式が成り立つと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
日本のコーヒー豆自家焙煎店
日本のコーヒー豆自家焙煎店には、マイクロロースター的な規模を持つコーヒー豆自家焙煎店と、ナノロースター的な零細生業パパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店があります。
焙煎コーヒー豆の小売販売と業務向け卸販売、それにプラスして小さな喫茶店を併設しているのが、アメリカのナノロースターや日本のコーヒー豆自家焙煎店です。
おそらく、コーヒー豆の焙煎量や売上も似たようなものだと推測しています。
パパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店の今後
アメリカでは、ラージロースターやマイクロロースターに満足できない独立系の喫茶店・カフェ・レストラン、それに街のパン屋さんやドーナツ屋さん、独立系の食品スーパーなどが、ナノロースターとの取引を始めているという情報も入ってきます。
日本のコーヒー豆自家焙煎店も、アメリカのナノロースターと同じ方向に進んで行くだろうと、楽観的かもしれませんが、地方の中核都市でパパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店を営む年老いた珈琲豆焙煎屋(エカワ珈琲店の店主)は考えています。