焙煎したコーヒー豆の賞味期限には、「腐敗していないという意味での賞味期限」と「コーヒーの香味を楽しむための賞味期限」があると考えています。
焙煎コーヒー豆は、包装(保存)状態が適正なら、なかなか腐敗しないはずです。ですから、「腐敗していないという意味での賞味期限」については、焙煎日から半年くらい経過していても大丈夫だと考えています。
しかし、腐敗していなくても、古くなった焙煎コーヒー豆でコーヒーを淹れると不味いコーヒーが出来上がる確率が相当に高くなると思います。(コーヒーは香りの飲み物ですから)
北米の食品スーパーの商品棚に並んでいる焙煎したコーヒー豆の賞味期限は、3か月~6か月に設定しているようです。
店頭焙煎が売り物の珈琲屋さんの場合、焙煎したコーヒー豆の賞味期限は1か月くらいにしていると想像しています。
コーヒー豆を焙煎すると、コーヒー生豆に含まれている成分が熱分解して、二酸化炭素や揮発性の香気成分を発生します。
発生した二酸化炭素や揮発性の香気成分の幾らかは、焙煎中に放出されてしまいますが、残りは、焙煎コーヒー豆の中に残っています。
この焙煎コーヒー豆の内部に残っている焙煎中に発生した二酸化炭素ガスが、焙煎コーヒー豆の香味成分を空気から守るバリアーの役割と熟成を促進させる役割を演じていると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
焙煎コーヒー豆内部の二酸化炭素ガスですが、焙煎後1日~2日は急激に、その後の数日は素早く、脱ガス期間と呼ばれるその後の数週間は徐々に、焙煎コーヒー豆から放出されます。
焙煎コーヒー豆の香味成分の熟成ついては、焙煎コーヒー豆内部の二酸化炭素ガスがある程度のスピードで放出されている脱ガス期間以前の時期に急速に進行しているのだと考えています。(二酸化炭素ガスが存在している時に)
脱ガス期間に入ると、香味成分の熟成の進行スピードも遅くなって徐々に劣化も始まると考えています。
そして、脱ガス期間が終了して、二酸化炭素がバリアーとして機能しなくなった時点で、焙煎コーヒー豆のシェルフライフが終了すると考えています。
それが、焙煎コーヒー豆のままだと焙煎後1か月くらい、焙煎コーヒー豆を粉砕すれば焙煎後1週間くらいなのだと思います。
この時点で真空包装すると、あるいは、冷蔵庫や冷凍庫で保存すると、香味成分の劣化を遅らせることができると思いますが、「煎りたて、新鮮、香りの良いスペシャリティーな焙煎コーヒー豆」では無くなっていると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
ちなみに、焙煎コーヒー豆の保存に最も適している保存容器は、タッパーウェアーやジップロックのような密閉可能な容器だと思います。
理由は、圧力を利用して焙煎コーヒー豆からのガスの流出を防いでくれるからです。
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