味の基本味は、味覚器が刺激されて生じる味で、塩味・酸味・甘味・うま味・苦味の5つの味覚があります。
辛味や渋味は、舌の上の痛覚を刺激して生じる味ですから、基本味とは区別されています。
基本味の絶対条件は、他の基本味とは根本的に異なる独自の味を持っていて、いろいろな味を組み合わせてみても、その味を人為的に作ることができない味ということです。
ですから、味覚の基本味は、食べ物の摂取時に、有害物から身の安全を守るためのシグナルの役目を担っています。
糖は絶対に必要な栄養物ですが、甘味は、その糖を含んでいるというシグナルになります。
うま味は、その食べ物にたんぱく質が含まれているというシグナルです。
食塩・ミネラル類も絶対に必要な栄養物で、適度な塩味は好まれる味です。
塩味は、食べ物にミネラル類が含まれているというシグナルです。
腐敗した食べ物は酸味を持っていて、毒物は苦味を持っています。
ですから、酸味や苦味は、不快な味ということになります。
しかし、酸味や苦味にも、好もしい酸味や苦味があるということを、人は経験によって知っています。