年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

コーヒー情報記事を専門にエントリーしているブログです。年老いた珈琲豆焙煎屋の稼ぎ頭のブログです。

零細生業パパママ店が、ウォーターベッド効果の犠牲にならない方法

大手小売事業者は、その購買力・販売力を背景にして、納入業者から安い価格で商品を仕入れることで、コストの削減と収益の拡大が可能となります。

納入業者は、大手小売事業者からの値下げ要求に対して、効率化で対応しようとするのですが、それでも対応できない場合は、一定の利益を確保するために、力の無い小規模な一般小売店に対する納入価格を引き上げます。

 

そうすると、小規模一般小売店のコストが上昇することになるので、大手小売事業者との競争で不利になります。

大手小売事業者は、安く仕入れることによる効果と競争相手のコストを上昇させて価格競争力を奪うという効果の、二重の効果を得ることができます。

このような現象を、ウォーターベッド効果とマーケティングの世界では呼んでいます。

 

エカワ珈琲店(店主は年老いた珈琲豆焙煎屋)は小規模零細の小売事業者ですが、主力商品の焙煎コーヒー豆は、自店にて焙煎加工しています。

コーヒー関連商品についても、スーパーマーケット・量販店・チェーン店と競合する商品は、利益を得る目的ではなくて、お客さんの便利だけを考えて販売しています。

ですから、ウォーターベッド効果の被害を被ることもありません。 

www.ekawacoffee.work

 
ということで、ウォーターベッド効果の被害にあわない方法は唯一つ、大手小売事業者と競合しない商品だけを商うことだと考えています。

以上は、2010年10月1日に「エカワ珈琲店の出来事」に投稿した記事の再掲載です。

そして、エカワ珈琲店ですが、自家焙煎コーヒー豆(クラフトコーヒー)という独特の商品を持つことによって、零細生業パパママ店規模のままで、2016年現在、それなりの商売を続けています。

 

今日(2016年5月12日)、上記の記事を読み直して、そして、エカワ珈琲店のこれまでの体験から、零細生業店を含めて独立系の小規模小売事業者や飲食事業者は、大手小売事業者や大手飲食事業者と競合しない商売に徹するべきだと、あらためて考えました。

 

例えば、独立系の喫茶店・カフェ・レストランの場合、焙煎したコーヒー豆を含めて、食材の仕入先が大手飲食事業者と同じ会社からだったとしたら、それだけで、独立系事業者が不利な状態にあるのだと思います。

大手飲食事業者には、「ウォーターベッド効果」という強い味方があるわけですから。

ということで、コーヒーで勝負する商売をするのなら、コーヒー豆の自家焙煎は絶対必要条件だと考えている年老いた珈琲豆焙煎屋の今日この頃です。

コーヒー豆の自家焙煎が無理なら、焙煎コーヒー豆を地元のコーヒー豆自家焙煎店から調達するという選択肢も考える必要があると思っています。