アイスコーヒーは苦味を堪能する飲み物ではなくて、香りを楽しむ飲み物だと考えています。
コーヒーのコクを感じさせる甘味と香りが最大化して、苦味と酸味をできるだけ押えた焙煎コーヒー豆を使ってアイスコーヒーを淹れたとき、経験から、最も美味しいアイスコーヒーが出来上がると考えています。
アイスコーヒーの造り方ですが、大雑把に2つの方法があると考えます。
「急冷する方法」と「造り置きする方法」です。
「急冷する方法」が、最も香りの良いアイスコーヒーを淹れる方法だと思いますが、「作り置きする方法」でアイスコーヒーを淹れても、紙パックやペットボトルで流通しているアイスコーヒー飲料と比べると、数段香りが良くて美味しいアイスコーヒーを楽しむことができると思います。
(A)急冷する方法
氷を入れたカップに、濃い目に淹れたコーヒーを注ぐ方法。
反対に、濃い目に淹れたコーヒーに氷を入れると、コーヒーは白濁してしまいますから注意してください。
(B)造り置きする方法
ホットコーヒーを造るときと同じ要領でコーヒーを淹れて、冷却は自然に冷ます方法を採用します。
出来立ては少し薄く感じるかもしれませんが、時間が経過していくと、徐々に濃く感じるようになります。
時間の経過とともに酸が多くなるので、最初のうちは苦味と相互作用してまろやかなアイスコーヒーになるのですが、淹れてから24時間以上経過すると嫌味な味が目立ち始めます。
セブンイレブンやファミリーマートなどで売られているコンビニコーヒーは、(A)の方法でアイスコーヒーを淹れています。
ですから、喫茶店や飲食店も(A)の方法でアイスコーヒーを淹れる必要があると思っています。
そうでなければ、商品としての価値で、味も香りも値段もコンビニに負けてしまいます。
造り置きしたアイスコーヒーを使う場合でも、自然保存しているコーヒーなら、淹れてから2~3時間以内のコーヒー、冷蔵庫で保存しているなら淹れてから半日以内のコーヒーに限定すべきだと思います。
ただし、鮮度の良い自家焙煎コーヒー豆を使うという前提がありますが。
淹れたコーヒーは時間の経過とともに、必ず劣化します。
劣化を遅らせる方法として、食品添加剤の添加や砂糖を混ぜる方法が知られていますが、劣化スピードがゆるやかになるだけのことで、必ず劣化は進行します。
また、温かいところで保存(自然保存)しておくよりも、冷たいところで保存(冷蔵庫保存)しておくほうが劣化スピードが遅くなります。
喫茶店の全盛時代、引っ切り無しにお客さんが来店する喫茶店では、アイスコーヒーを造り置きしていたのですが、劣化スピードを遅くするための添加剤として砂糖と塩をアイスコーヒーに添加して冷蔵庫で保存していました。
それでも、1日(24時間)~1日半(36時間)くらいの造り置きが限度だと考えています。
造り置きするアイスコーヒーの劣化の代表的な原因は、時間の経過とともに酸度が上昇することです。詳しくは、下記記事で・・・
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