佐賀新聞WEB版が、佐賀市のいづみや珈琲さんの躍進ぶりを紹介しています。
佐賀市兵庫南の老舗コーヒー豆専門店「いづみや珈琲(コーヒー)」(前山治彦(はるひこ)社長)が10月、販売強化のため、業者向けの卸売部門を新設する。
一般消費者向けの小売部門と両輪で幅広い需要に応える。
佐賀新聞WEB版/佐賀市のいづみや珈琲 業者向け卸売部門新設より引用
「コーヒーは鮮度がすべて」と語るいづみや珈琲の社長さんは、現在60歳、27年前の33歳の時、先代のお父さんが急逝されたので脱サラ、コーヒーの素人が店を継いだ苦労を色々と体験しながら業容を拡大して来たようです。
ここ数年は、毎年10%増の勢いで売上が増加していると紹介されています。
年老いた珈琲豆焙煎屋も、20数年前に脱サラをして、すぐに先代(母親)に急逝されて、コーヒーの素人がコーヒー屋を継いだ苦労を色々と体験して来ています。
年老いた珈琲豆焙煎屋の場合、前職時代の同僚たちに助けられたこともあって、脱サラ後、簡単に商売を軌道にのせることができたのですが、それで調子に乗ってしまって、その後の20年近くは鳴かず飛ばずの状況が続いています。
特に、21世紀に入ってからは惨憺たるもので、売上・業績の下降・低迷が続いてきました。最近は、コーヒーブームという追い風もあって、何とか商売を続けられているという体たらくです。
いづみや珈琲さんは年商が約1億円ということですから、月間3トン以上の焙煎コーヒー豆を捌いている のだと思います。
考えてみれば、20数年前、毎月トン単位で焙煎コーヒー豆を捌いているコーヒー豆の自家焙煎店が、日本国内の所々に登場していて、コーヒー豆自家焙煎店を新規に始める人も増えていました。
年老いた珈琲豆焙煎屋が母親から事業継承したエカワ珈琲店は、その頃、喫茶店からコーヒー豆自家焙煎店に衣替えしています。
もしかしたら、あの頃と似たような状況が、コーヒー豆焙煎業の世界で発生しているのかもしれません。
いづみや珈琲さんのお得意さんは、佐賀県内の企業・官公庁などの職場や佐賀県内のスーパーマーケットなどで、昨年(2014年)の7月からは、ローカルスーパーマーケットチェーン「スーパーモリナガ」のテイクアウトコーヒー用に新鮮な煎りたて焙煎コーヒー豆の供給も開始しているとのことです。
いづみや珈琲さんの営業形態ですが、エカワ珈琲店も、10数年前、よく似たビジネスを営んでいました。
しかし、調子に乗ってしまって、企業・官公庁などの職場は、大手のオフィスコーヒー企業に奪われてしまって、それを補うためにローカルスーパーマーケットとの取引を画策したこともあるのですが、結局、躊躇してしまったという思い出を持っています。
いづみや珈琲さんの社長とエカワ珈琲店の店主は、ほぼ同世代なのですが、経営能力に相当な違いがあるのかもしれません。
佐賀県のローカルスーパーマーケットチェーン「スーパーモリナガ」ですが、小売流通について相当に奥深く勉強していて、積極的に新しい試みをすることで小売流通の専門家の間で知られているスーパーマーケットだと思います。
(スーパーモリナガのホームページより引用)
特に、ローカルフードの取扱いについては相当に積極的なようで、「さが珈琲」という看板を掲げて、地元の人気ロースター「いづみ珈琲」の煎りたて焙煎コーヒー豆を使用して、コンビニエンスストアーで導入されている全自動コーヒーマシーンを使って淹れるテイクアウトコーヒーを1杯100円(アイスコーヒーは150円)で販売していて、好評を博しているようです。
年老いた珈琲豆焙煎屋も、コーヒー業界の片隅で棲息しているわけですから、「スーパーモリナガ」と「いづみ珈琲」の新しい挑戦に好もしい興味を持っています。
零細生業のエカワ珈琲店には無理な商売だと思いますが、コーヒー豆焙煎業界全体から眺めれば、中規模・小規模のコーヒー豆焙煎屋さんの業務市場が拡大する可能性もある試みなのだと思います。
アメリカでの現在のコーヒーブームですが、スターバックスコーヒーが大成功を収めて、どこででもテイクアウトコーヒーが売れるようになって、その結果として、サードウェーブコーヒーブームが到来したのだと、年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。