「オフィスコーヒーサービス」というビジネスモデルは、アメリカから伝来してきたビジネスモデルです。
日本に伝来したのは、1970年代の中頃です。
日本で最初にオフィスコーヒーサービスを開始した会社は、フランチャイズシステムを採用していました。
その後、地域のロースターや街の自家焙煎店がオフィスコーヒーサービスを手がけることで、オフィスコーヒーサービスが一気に普及していきました。
エカワ珈琲店も、そのオフィスコーヒーサービスで、一時期、結構繁盛していました。
そのオフィスコーヒーサービス市場も、1990年代の後半頃から寡占化が進行します。
エカワ珈琲店のような街の自家焙煎店は、オフィスコーヒーサービス市場から弾き飛ばされてしまいました。
ということで、オフィスコーヒーサービスとの相性が悪いのだから「無駄な抵抗はやめよう」と、街の自家焙煎店のおやっさんは考えて、エカワ珈琲店は、オフィスコーヒーサービスから前面撤退しています。
「オフィスコーヒーサービス」の本家はアメリカです。
そのアメリカで、オフィスコーヒーにスペシャリティーコーヒー豆を採用する事業所が増えているみたいです。
都会に立地するアメリカの自家焙煎店のスタッフが、ビル街のオフィスにスペシャリティーコーヒー豆を配達していたりするみたいです。
あのピーツコーヒーのホームページに、「オフィスコーヒー」というカテゴリーがあります。
このような情報に接すると、街の自家焙煎店の60代半ば近くのおやっさんの考え方も変わってしまいます。
アメリカでは、スターバックスやピーツコーヒー、売り出し中のサード・ウェイブ・コーヒー系の焙煎屋さんのスペシャリティーコーヒーが、オフィスコーヒーサービスにも影響を及ぼし始めているようです。
日本のオフィスでも、先端を走っている企業のオフィスで、「コーヒーブレイクにスペシャリティーコーヒー」というところも登場して来るかもしれません。
「煎り立て、新鮮、香りが良い」がスペシャリティーコーヒーの条件だとすれば、先端を走っているオフィスにスペシャリティーコーヒーの焙煎コーヒー豆を供給できるのは、今のところ、街中のコーヒー豆自家焙煎店だけです。
一昔前、二昔前と比べると、オフィス向け業務用コーヒーメーカーの価格は、ものすごく安くなっています。
オフィス向け業務用コーヒーメーカーを無料でレンタルしてもらって、その代わり、使用するレギュラーコーヒー豆を購入するというビジネスモデルが時代遅れになりつつあるのだと思います。
日本のコーヒー業界も、これから、本当に本当に面白くなってくる可能性が高くなっているのを、何となく何となく感じることのできる今日この頃です。