オフィスコーヒーの原点は、1800年代の後半、アメリカ合衆国マサチューセッツ州のストウトンの町で始まったと伝えられている『コーヒーブレイク(Coffee Break)』にあると、年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
オフィスや工場で働く人たちが、仕事の事を忘れてコーヒーを楽しむ時間が『コーヒーブレイク(Coffee Break)』なのだと思います。
- What is Coffee Break
- コーヒーブレイク(Coffee Break)とオフィスコーヒーサービス
- 様変わりするコーヒーブレイク(Coffee Break)
- これからのオフィスコーヒービジネス
- ロートルなビジネス街の珈琲屋は
What is Coffee Break
コーヒーブレイク(Coffee Break)は、仕事の合間に取る短時間の休憩を意味する用語だと理解しています。
オフィスや工場で働く人たちが、コーヒーを楽しみながら、簡単なおやつを食べながらひと休みする時間がコーヒーブレイク(Coffee Break)だと考えています。
パンアメリカンコーヒービューローのキャンペーンの効果もあって、1950年代にアメリカ全土に普及して行ったのがコーヒーブレイク(Coffee Break)です。
現在のオフィスや工場では、仕事の始まり時間、昼食の後のコーヒータイム、午後3時の休憩時間と、1日に3度以上のコーヒーブレイク(Coffee Break)を楽しんでいます。
もちろん、コーヒーブレイク(Coffee Break)は、リフレッシュして仕事の能率を高めるための時間ですから、仕事の話はご法度となっているようです。
コーヒーブレイク(Coffee Break)とオフィスコーヒーサービス
エカワ珈琲店(店主は年老いた珈琲豆焙煎屋)の始まりは、1955年創業のビジネス街の喫茶店です。
アメリカで始まったコーヒーブレイク(Coffee Break)の影響からか、1965年頃から、午後のコーヒーブレイク(Coffee Break)向けの出前が増え始めました。
始業前のコーヒーブレイク(Coffee Break)は、自前で喫茶店のコーヒーを楽しんでいた時代です。
1980年代の初めごろ、リーズナブルな価格のコーヒーマシーン(コーヒーメーカー)が登場して、コーヒーブレイク(Coffee Break)で飲むコーヒーをオフィスで淹れる時代が始まりました。
それが、オフィスコーヒーサービスというビジネスを発展させました。
1980年代の後半に自家焙煎コーヒー豆の小売販売を開始したエカワ珈琲店も、その主たるターゲットはオフィス需要でした。
オフィスコーヒーサービスの担い手ですが、1990年代の中頃までは、エカワ珈琲店クラスのコーヒー豆自家焙煎店だったと思うのですが、その後は、オフィスコーヒーサービス専門企業や大手・中堅のコーヒー企業やレギュラーコーヒー業務卸専門のロースターに移って行きました。
様変わりするコーヒーブレイク(Coffee Break)
そして、現在のコーヒーブレイク(Coffee Break)です。
アメリカでも、日本でも、大幅に様変わりして来ています。
コンビニコーヒーやコーヒースタンドのテイクアウトコーヒー、挽き立て、煎り立てのコーヒーが提供できる自動販売機と、現在のオフィスコーヒー需要は「新鮮で香りの良いコーヒー」を求め始めているのかもしれません。
アメリカ合衆国の先端を走っている企業は、コーヒーブレイク(Coffee Break)の充実に力を注いでいるようです。
従業員向けの喫茶室や食堂を充実させて、「新鮮で香りの良いコーヒー」を従業員に提供する企業が増加しているようです。
そして、その流れが、アメリカのサードウェーブコーヒー現象の後押しをしているのかもしれません。
世界的なIT企業が、最近、アメリカ西海岸の事業所の喫茶室運営をブルーボトルコーヒーに委託したというニュースが、今年(2015年)の春先に流れていました。
コーヒーブレイク(Coffee Break)のコーヒー供給を、移動式のコーヒーカートに委託する企業も増えてきているというニュースも伝わってきます。
これからのオフィスコーヒービジネス
アメリカのマイクロロースターのホームページを訪問すると、「オフィスから不味いコーヒーを追放しよう」というような表現を、最近、よく目にします。
アメリカのオフィスコーヒー需要も、相当な様変わりが始まっているのかもしれません。
アメリカで始まっているオフィスコーヒー需要の様変わりですが、必ず日本にも到来するはずだと考えています。
というよりも、もうすでに、日本でも、オフィスコーヒー需要の様変わりが始まっているのかもしれません。
挽き立て煎り立てコーヒーの自動販売機の設置は、小規模零細のコーヒー豆自家焙煎店には無理だと思いますが、アメリカの先端的な企業が実施しているようなコーヒーブレイク(Coffee Break)のお手伝いは、小規模零細のコーヒー豆自家焙煎店(特に、若い人たちが経営する)でも可能なのだと思います。
コーヒーブレイク(Coffee Break)を重視する先端的な企業が、小規模零細珈琲屋の移動式コーヒーカートを雇う時代になるかもしれません。
先端的な企業の喫茶室や食堂で、お昼休みや休憩時間に、熟練したバリスタがコーヒーを提供するという新しいオフィスコーヒーサービスが登場するかもしれません。
ロートルなビジネス街の珈琲屋は
ロートルなビジネス街の珈琲屋でも、新しいオフィスコーヒー需要に対応することができるかもしれません。
例えば、オフィス向けテイクアウトコーヒーという需要が存在しているのだと思います。
「煎り立て、新鮮、香りの良いコーヒー」をテイクアウトで提供していれば、オフィスの誰かが代表して、そのテイクアウトコーヒーを買いに来てくれるかもしれません。