エカワ珈琲店が立地している和歌山県ですが、昔ながらの喫茶店のほとんどは、昔ながらのコーヒー豆焙煎企業から焙煎コーヒー豆を仕入れているのだと思います。
しかし、新しく開店する喫茶店(カフェ)は、沖縄、京都、徳島と、全国様々なコーヒー豆自家焙煎店から焙煎コーヒー豆を仕入れていたりします。
そして、和歌山県では、昔ながらの喫茶店は、その数を減少させていて、この10年くらいで新しく開店した喫茶店が、その数を増加させています。
これは、和歌山県だけでなくて、全国的な規模で発生している現象なのかもしれません。
エカワ珈琲店は、大手のコーヒー生豆問屋さんとは取引をしてもらえなかったので、10年前から、インターネットで見つけた大手総合商社のコーヒー生豆販売サイトを通じてコーヒー生豆を仕入れています。
その大手総合商社は、コーヒー生豆の取り扱いについては後発だったということで、スペシャリティーコーヒー豆を、インターネットサイトを通じてコーヒー豆自家焙煎店に販売するビジネスを立ち上げたのだそうです。
大手総合商社のコーヒー生豆販売サイトを見つけて、そこからコーヒー生豆を仕入れ始めた10年前は、仕入れている銘柄のコーヒー生豆が品切れになることなど皆無だったのですが、最近は、ちょっと油断しているとすぐに品切れになっています。
商社のコーヒーチームのスタッフ数も増員されているわけですから、コーヒー生豆の取り扱い量が相当量増えているのだと思うのですが、それにも関わらず、そのような状況になっているということは、全国的にコーヒー豆自家焙煎店の焙煎コーヒー豆販売量が急増しつつあるのかもしれません。
数年前、食品関係の業界新聞で、「コーヒー豆自家焙煎店には、営業力が無い」と中堅コーヒー企業の社長さんがインタビューに応えていた記事が記憶に残っています。
当時、大手コーヒー企業や中堅コーヒー企業に関係している人たちの目には、コーヒー豆自家焙煎店がそのように映っていたのかもしれません。
でも、10年くらい前から、独立系の喫茶店・飲食店の焙煎コーヒー豆需要については、徐々に、営業力を駆使して商品棚を奪ってしまうというビジネスが成り立たなくなって来ていたのだと思います。
和歌山の街中でも、大手・中堅コーヒー企業の名前が入った看板を、あまり見かけなくなっています。
こめだ珈琲店、スターバックスコーヒーなどの喫茶店チェーンは、相当数の人たちが興味を持つことのできる物語を展開しているのだと思います。
しかし、大手・中堅コーヒー企業の物語に興味を持っている人は、それほど多くないのだと思います。
独立系の喫茶店・飲食店の経営者は、自分たちも物語を持たなければ生き残れないのを知っています。
ですから、自分たちの物語を創り出すために、コーヒー豆自家焙煎店の自家焙煎コーヒー豆にシフトしているのだと思います。
独立系の喫茶店・飲食店の焙煎コーヒー豆需要の供給先については、営業力を駆使するビジネスから、インターネットサイトなどを通じて見つけてもらうビジネスへとシフトして来ているのだと思います。
そして、この需要の供給先には、コーヒー豆の自家焙煎暦20数年の古いタイプの自家焙煎店よりも、自家焙煎暦10年未満の新しいタイプの自家焙煎店の方が適しているのかもしれません。
エカワ珈琲店は、古いタイプのコーヒー豆自家焙煎店ですから、新しく開店する独立系の喫茶店・飲食店の焙煎コーヒー豆需要に対応するのは無理だと思っているのですが、昔ながらの喫茶店・飲食店の焙煎コーヒー豆需要への供給なら対応することができるかもしれません。
もし、昔ながらの喫茶店・飲食店の焙煎コーヒー豆需要の自家焙煎店への需要シフトが始まったならば、コーヒー業界の地形図が書き換わってしまう可能性もあるわけです。
そして、その兆候は、もう、存在していて、大手・中堅コーヒー企業が、それに気がついていないだけなのかもしれません。