インスタントコーヒーは、一般的に、「お湯を注ぐとすぐ飲めるコーヒー」で、手間をかけずにコーヒーを簡単に作ってすぐに飲みたい消費者向けに販売されています。
ソリュブルとは、「可溶性」を意味する英語で、インスタントコーヒーと同じ意味で使われています。
お湯や水に溶けやすい粉末や顆粒になっているのが特徴です。
1900年前後、日本人化学者の加藤さとり博士によって、ソリュブルコーヒーの製法が考案されたと伝えられています。
大部分のインスタントコーヒーは、濃厚な抽出液を霧のように散布して熱風で瞬間的に乾燥させるスプレードライという方法か、濃厚な抽出液を冷凍乾燥させて、それを真空状態にして熱を加えて水分を取り除くフリーズドライという方法で製造されています。
全日本コーヒー公正取引協議会が定める公正競争規約では、インスタントコーヒーについて以下のように規定しています。
この規約において「コーヒー」とは、レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーであって、容器又は包装に密封されたものをいう・・・
この規約において「インスタントコーヒー」とは、コーヒーいり豆から得られる抽出液を乾燥した水溶性の粉状、顆粒状その他の固形状のコーヒーをいう。
現在(2010年代)はレギュラーコーヒーやクラフトコーヒーが全盛の時代で、インスタントコーヒーは時代遅れの飲み物だと思い込んでいたのですが、2009年~2016年にかけて、全世界のインスタントコーヒー消費量は3.6%伸びていて、2016年の全世界での売り上げは約100億ドルに達していると報じられています。
21世紀に入ってからのインスタントコーヒーですが、利便性だけでなくて、その品質も向上していて、レギュラーコーヒーに追い付きつつあると言われています。
コーヒー生豆は1年・2年・3年と保存しても、それほど品質は劣化しないと言われていますが、焙煎したコーヒー豆は1か月も常温で保管しておくと品質は劣化しています。それが、消費地でしかコーヒー豆を焙煎加工できない理由となっています。
一方、インスタントコーヒーの賞味期間は、コーヒー豆自家焙煎店で販売している焙煎コーヒー豆と比べるともちろんのこと、スーパーマーケットやコンビニエンスストアーで販売されているレギュラーコーヒーと比べれても相当に長くなっています。
ですから、コーヒー生豆生産地での現地生産が可能ということで、近年、コーヒー生豆生産地に工場を建設して現地生産する方向に向かっているようにも感じられます。