今から10年以上前、2007年の何時頃だったか忘れたのですが、「コーヒー豆を上手く焙煎できたかどうかを検査する方法」というブログ記事をアップしていた事があります。(当時は、gooブログを使っていました)
コーヒー生豆には、平均して10~12%の水分が含まれています。そして、コーヒー生豆を焙煎すると、出来上がった焙煎コーヒー豆の重量は、コーヒー生豆のときの重量から12~25%くらい減少しています。
コーヒー豆の煎り加減が深くなるほど、焙煎時間が長くなるほど水分が失われるので、コーヒー豆の重量は減少して行くわけです。また、焙煎コーヒー豆の大きさ(体積)は、コーヒー生豆のときの体積(大木さ)の1.5~2倍くらいになります。
水分の減少と体積の増加は、焙煎コーヒー豆の密度を大幅に低下させるので、焙煎コーヒー豆は脆くなります。
ということで、2つの指で焙煎コーヒー豆を挟んで、指の圧力で焙煎コーヒー豆を押しつぶして、その砕け具合で焙煎コーヒー豆の出来具合を判断できないかと考えて、半分冗談で書いた記事が「コーヒー豆を上手く焙煎できたかどうかを検査する方法」でした。その主要な部分は以下の通りです。
【1】まず、焙煎したコーヒー豆を1粒、親指と人差し指で挟みます。
【2】親指と人差し指の力を強くして、両指で挟んでいるコーヒー豆を押しつぶします。
【3】上手く焙煎されていれば、コーヒー豆がバリバリと、比較的簡単に粉砕されてしまいます。
上の写真のように、簡単にコーヒー豆を2つの指に挟んで指の圧力で粉砕できれば、ほぼ完璧に焙煎されていると単純に考えていたわけです。しかし、中煎りの焙煎では(当時の焙煎技術での話です)、なかなかコーヒー豆を両指で粉砕できるようには焙煎できません。
そこで、考えたわけです。指を鍛えて、指圧を強くしようと。そうすれば、両指に挟んだコーヒー豆を簡単に粉砕することができるようになるだろうと。で、次の写真のようにして、毎日、指を鍛えていました。
その効果もあって、2つの指で焙煎コーヒー豆をつまんで、まあまあ簡単に焙煎コーヒー豆を押しつぶせるようになりました。
年齢を重ねれば、その分、確実に指の力も弱くなって行くはずです。当時、指の力は年齢とともに弱くなって行っても、焙煎の技能は年齢とともに向上して行くはずだと考えていました。
ですから、指を鍛えて、コーヒー豆を簡単に粉砕できるようになっていれば、自分の引退時期の目安を作ることができると考えていました。
ものすごく年老いて、コーヒー豆を簡単に粉砕できなくなった時点で、引退だと決めていました。そして、その引退のちょっと前に焙煎したコーヒー豆、その焙煎コーヒー豆が、最高の焙煎コーヒー豆になっているはずだと考えていたわけです。
現在(2018年)は、考え方が全く違ってしまっています。
指で挟んで簡単に粉砕できる焙煎コーヒー豆が、上手く焙煎できたコーヒー豆と限らないと考えています。
焙煎技能と経験年数の積み重ねですが、少しは相関関係があるかもしれませんが、焙煎経験が長いから上手くコーヒー豆を焙煎できるとは限らないとも考えています。